四十六日目(1)

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 彩乃の小さな手を、宝物のように、ぎゅっと握ってみる。ひとつ大きく息を吸って、僕はこたえようとする。  この子が僕の傍に居るのは、あの彩乃が、僕を守ろうとしたからかもしれない。 「……いえ。これからも、ずっと、たいせつだと思います」  すこし緊張がとけたのか、幸せそうな笑顔で、彩乃が躰を寄せてくる。 「よかった」  真夏の太陽に見られていることも忘れて、僕は彩乃を、ぎゅっと抱き寄せてしまう。  いつの間にか頬を伝っていた涙は、どことなく、温かい気がした。 (了)
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