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Chapter.1
「……お見合い?」
私、小倉智沙はお父さんに大事な話があると言われ、自宅のリビングのソファーに腰かけている。
お父さんは私の真正面に座ると、お見合い話を持ち出した。
「ああ、竹内くんなら安心して智沙を任せられると思うんだ。会ってみないか?」
そう言って台紙を渡され、中を見るとスーツを着た男性の写真が載っていた。
わぁ、すごく綺麗な顔だ。写真だけでも美形だと言うのが伝わってくる。
うーん……カッコいいけど、今は付き合ってた彼氏と別れて、仕事も事情があって退職したばかりだからそういう気分じゃないんだけどな。
私の父は警部をしてるんだけど、どうやら部下の1人らしい。父はその人をとても信頼していて、私の夫になってくれたら安心だって何度も言われた。
会ってみるだけならいいかなと思い、相手と都内のホテルのラウンジで会う約束をした。
もしかしたら向こうが上司の娘だから断れなかったのかもしれないし、あまり期待しないで行こう。
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