Chapter.1

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「いや、あの………実は、前の彼氏に無理矢理挿入されて痛くてトラウマになってるんです。 どうしてもできません。ごめんなさい。」 「辛い思いをしたんだね。いきなり挿れたりはしないよ。君が嫌だと言ったらすぐに止めると約束する。だから、安心して身を委ねて欲しい………駄目かな?」 包み込むように手を握り、真剣な表情で見つめられたら、 「…分かりました」 何となく断りづらくて頷いた。 まぁ、避妊して貰えばいいかという考えがが甘かったんだ。 *** いつもは別々の部屋で寝ているんだけど、 今日はお風呂あがりに湊叶さんが私の部屋にやってきて、ベッドに腰掛ける。 湊叶さんは私の肩を抱くと、 ちゅ、ちゅ、と触れるだけのキスを頬とおでこにしてきた。くすぐったい。 今度は押しつけるように湊叶さんの薄い唇が重なり、 チュッ 小さなリップ音を響かせて、唇が吸われる。 それがやけに鮮明に聞こえ、心臓が高鳴った。 今日は、これで終わり。
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