Chapter.1

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仕事もせずにただ自由に謳歌するという天国を手に入れることができたんだ。 もはやただのニート。 私はアイドルの追っかけをするのが趣味で、映画の舞台挨拶やライブの遠征であちこち飛び回ってて忙しい。 だから彼が私を構わない方が好都合。 竹内さんは美青年と言っていいくらい目鼻の整った顔立ちで、デート中何回も見惚れたことがある。 その上高身長とモデル体型だから、すれ違う人誰もが振り返って、芸能人じゃないかと噂する。 一流大学卒と聞いたし、収入もいい。 私に対しても、家では当たり障りのない対応だけどデートする時は紳士にエスコートして、 持ち前の甘いマスクで「可愛い」や「好き」と言ってドキドキさせてくる。 例え書面上でも、こんなハイスペックな人と結婚できたなんて、贅沢だなと思う。 夜の営みは誘われたら答えるけど、しなくてもどっちでもいい。 お互い束縛せず気楽にやっていこう、というのが暗黙の了解として感じ取れた。
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