Chapter.1

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この結婚を知ってるのは両家の両親と一部の親戚だけ。友人にも言ってないヒミツの関係。 欲しいものがあったらこれで買って、とクレジットカードを渡された。 最初は多少使うのに躊躇ったものの、 働いてないからオタ活の資金集めができないんだもの、仕方ないよね。 という事で生活必需品と推しに費やすのに使わせて貰ってる。 こんなに自由気ままな専業主婦、他にいる? 居候と表した方が正しいかもしれない。 親が湊叶さんさんの上司でラッキーだった。 世間体だけの妻を演じながら、好きなことに没頭できる幸せ。 もし好きな人ができたり、この暮らしが嫌になったらすぐに離婚すればいいんだ。 きっと湊叶さんは私への愛情はひと欠片もないはず。 そうなれば簡単に別れてくれるだろう。 理由は性格の不一致とか適当に言っといて。 この生活は長くは続かないと確信していたのにーー 籍を入れた翌日から、朝帰りせず毎日家に帰って来るようになって一緒にいる時間が増えた。 「智紗(ちさ)さん、おはよう」 「………おはようございます。」
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