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心配かけたのは悪かったけど、私だってまだ怒ってるんですからね。
……そういえば、この人が怒ったところを見たことがなかった。
湊叶さんが疲れて帰ってきても料理を作っていなかったこともあったし、寝てたこともある。
どうにか頑張って作った料理は壊滅的に不味い上に、クレカで好きなものをを買いまくった。
でも、彼は決して怒ったり苛立ったりするどころか、ご飯ができるまで毛布を掛けて寝かせてくれて、不味い料理を残さず食べ、「俺のために作ってくれたの?嬉しい。ありがとう」と優しく頭を撫でてくれる。
相当甘やかされてたと言う事を痛感した。
数十分ほど車に揺られた後、見慣れたマンションに到着した。
1日しか経ってないのに、久しぶりに帰ってきたような感覚。
鍵を開けてもらって中に入ると、やっぱり家が一番落ち着く。
湊叶さんはこちらに背を向けたまま一言も喋らない。
まだ怒ってるみたい。
もう夫婦関係は終わりかもしれないけど、最後に思ってることをちゃんと言わなきゃ。
「……あの、湊叶さん。私」
「ごめん」
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