散文的な夜の唄

煙草と彼氏

玄関先で煙草を吸う。
何度も禁煙しては、結局また吸っている。一番長くやめていたのは結婚が決まった後だったか。妊娠、出産、離婚、全て終えて、どうしても吸ってはいけない理由がなくなってしまったから吸っている。

自分が一番どうでもいい。と、博愛主義の彼は言っていた。私はどうでもよくないから、多分、健康被害が出たらまた煙草をやめるんだろうと思う。通信制大学の講義で、喫煙で壊れた肺胞壁は一生元には戻らない、と聞いたばかりだ。そろそろやめたい、とは常々思っている。ニコチンに侵された頭で。

彼とはもう、二年近く会っていない。このＳＮＳ全盛の時代に連絡すらほとんど取っていない。今履歴を見たら、最後にＬＩＮＥを送ったのは二か月前だった。まぁ生きていてくれればそれでいいと思う。