善の国騎士団団長

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ダリアは相手を場内ギリギリへと押しやっていた。 クルスはダリア協力し、余裕なく押しやっている。 が、クルスはもう1人の相手を捉えていた。 一気に駆けだす相手は、2人の後ろにたち、一気に距離を掴む。 クルスは足を掴んでいた相手に手を掴まれる。 そこで、相手の戦略を読み取ることが出来た。 相手が近づくのを見計らい。 「ごめんなさい。少々手荒くします。」 腕をねじる。 相手は痛みに耐えられず、手を離す。 そのすきにクルスは回り込み、駆け寄ってきた相手の背を押す。 仲間同士で衝突し、勢い余って、場外へ。 手を掴まれていたダリアは、一緒に場外へ出るかに見えた。 しかし、衝突の衝撃で、掴んでいた手が緩み、それを見たクルスがもう片方の手を掴み、場内へとどめさせた。 一瞬の沈黙の後、場外へ出た元チャンピオンの姿を見て、審判が恐る恐るゲームセットの旗をあげる。 一瞬の沈黙の後、どの試合よりも大きい盛大な拍手が会場を包む。 感動のあまり、泣いている人もいた。 何とか勝てたことに安堵のため息を着くと、ダリアがクルスに抱きついてきた。 「ありがとうクルス!!君のおかげで優勝することが出来たよ!!さすがわ僕が見込んだ騎士だね!」 「ぐぅっ、くっ、くるしぃ…」 拍手と笑い声の中、マイクを持った受付の少女が近づいてきた。 「優勝されたおふたりにインタビューを行いないと思いまーす!ではでは、クルスさんからどうぞ!」 「うぇ!?」 いきなりのことに驚きながらも、マイクを受け取る。 「えっと…優勝できて…嬉しいです…」 短い言葉にも、拍手が起きた、耐えられずに、クルスはダリアにマイクを押し付けるように渡す。 ダリアはマイクを受け取り、言葉を述べる。 「前から参加したかったお祭りで、優勝できて本当に嬉しいよ!そして今日、もうひとつ夢が叶う!!」 そう高らかに宣言すると、ダリアはクルスの方に向き直った。 ダリアは手を差し伸べ、先程までとの表情とは裏腹に、真剣で、でも愛おしそうに言葉を連ねる。 「僕の名前はダリア・アザゼル。この国の騎士団長だ。君を正式に、僕の団の副団長に任命したい。」 先程とは違う空気が流れる。 それして、先程まで完成を上げていた観客が口々に言う。 「騎士団長様だって?なんでここに?」 「アザゼル家っていやぁ、名門のお貴族様でねぇか。」 「聞いたことあるわ!ダリア様って、この国の勇者様なんでしょ?」 その声を聞いたクルスは、冷や汗が流れた。 今目の前にいるのが、偵察対象の善の国騎士団のトップだからだ。
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