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出会い系
世界で一番くだらない出会い系サイトを使った。
相手は誰でもいいのだけれど、実際には誰でもいいわけではなかった。私を知らなくて、でも私をきちんと女として見てくれて、私を抱きたいと思ってくれる人でなければならなかった。顔も年齢も問わない。でも、できれば少し、年をとっているほうがいい。若すぎると、なんとなく気まずい。なぜなら、私が、年をとっているから。
久しぶりに化粧をした。口紅のつけかたを忘れかけていた。手元が覚えていたので、助かったけれど。なんとなく、古くさい化粧。今の流行を知らないから、どうしようもない。けれどもそんなことは、きっとどうでもいい。髪をとかすと、白髪が混じっている。染めておけばよかったかと、ほんの少しだけ後悔した。黒いワンピースを着て、黒いハイヒールをはく。バッグは緑にした。わかりやすい見た目なら、この程度でいいはずだ。年のわりには肌がきれいで色白なのが私の唯一の救いだった。年齢よりも少しは若く見える。
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