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第23章 友だち
私は足立紅莉(17歳)。
幼い時から身体が弱くて入退院を繰り返してる。
こんな身体のせいで女の子らしい事とか子どもらしい事が出来なかった。
小学校の体育の時間も隅っこで見ていた。
宿泊研修も修学旅行も行けなかった。みんなが楽しんでいる時に私は家の中に居た。
小学校の時はお母さんに
「なんで!私も行きたい!!」
とか泣きじゃくった。
お母さんはその度に
「ごめんね。」
としか言わなかった。
その時はお母さんは「ごめんね」しか言わないと思ってたけど、「ごめんね」しか言えなかったんだと今になって感じる。
修学旅行明けの学校は行きたくなかった。
私が輪に入れる訳がないから。
修学旅行に行ってないのは私はだけだ。
他の子に聞かれた。
「なんで修学旅行来なかったの?」
こっちだって色々あるんだよ。
行きたくてもいけないんだよ。
みんなが健康な訳ないんだよ。
でも、そんな事は言えずに
「私の家お金ないからさ。」
そう言うしかなかった。
こんな感じだから小学校の時の友だちはほとんど居ない。
唯一居た友だちは小学校4年の時に別の県へ転校した。
だから実質小学校の時の友だちは居ない。
卒業式でみんなが抱き合って別れを惜しんでるのを横目で見ていた。
お母さんは泣きながら私に謝ってきたけど私もこういうもんだと受け入れるしかなかった。
中学の時も相変わらずだ。
多少マシにはなったが相変わらず体調が悪い。
だけど友だちが居ないことには慣れたし、私は1人でいた方が良いって気付いてた。
結局それが傷つかないし。
こんな身体を恨んだこともある。
何回か自傷行為をした。
本当は誰かと話をしたかったし、学校帰りにアイスとか食べたかった。
でも出来ないんだよ。
もう無理なんだよ。
高校も何とか行けた。
薬で騙し騙しやってるけど、いつ悪くなるか分からない。
入院しては退院しての繰り返し。
先の見えない真っ暗な道をひたすら手探りで歩いている。
私はかれこれ半年も病院に居る。
その間に季節は変わっていって、桜が咲いて、紫陽花が咲いて蝉が鳴いた。
一つだけだけど趣味が出来た。
絵を描く事だ。
絵なんか書いたこともないし、美術の時間とかは退屈に感じてた方だ。
だけど、なんでか描きたくなった。
この衝動をネットで調べると、もう少しでしぬ人の行動的な感じで纏められていた。
もう私半年も生きてるんだけど。
そう思ってちょっと笑った。
屋上で絵を書くのが最近の楽しみだ。
でも身体に触るから1時間以内って決められてる。
今日は絵を書いてると私と同じくらいの女の子が屋上に来た。
髪が長くてサラサラしてて可愛いって感じだけどなんか闇抱えてそうだと思った。
その女の子は私の書いてる絵を見て凄く上手だと褒めてくれた。
私は褒めらる事があまり無かったらから無愛想な感じで返しってしまったけど、本当はとても嬉しかった。
女の子名前は刈谷美希。
美希は私に対して普通に接してくれた。
病気の事とか話しても一緒に頷いてくれたし、優しく聞いてくれた。
嬉しかった。
それから美希とは毎日のように話すようになった。
私は美希に
「いつか星を見たい。小さい頃から夜は外に出れられなかった。いつか身体が良くなったら一緒に見に行ってほしいな。いっぱい写真撮ってその絵を描いて美希にあげる。」
美希は笑って
「約束ね。」
と言った。
私は久しぶりに友だちが出来たような気がして嬉しかった。
美希は彼氏がいるらしい。
彼氏が星を見るのが好きらしく、1ヶ月前に一緒に星を見に行った話を笑顔でしてた。
この前美希の病室に遊びに行ったら誰か居た。
学生服を着ていたのですぐ彼氏だとわかった。
美希可愛いもんな。
彼氏羨ましいな。
私は邪魔しちゃいけないと思って屋上に行って2人の絵を書いた。
いつかこのバックに満点の星空を書こう。
そして2人にプレゼントしよう。
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