プロローグ 流れ星

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プロローグ 流れ星

この先も… キラッ。空を見上げると星が流れた。 流れ星。消えるまでに願いを3回唱えたら叶うらしい。 「ねぇ!!健!今流れ星流れたよ!! 見たー?」 と興奮気味に話しかけてくるのは、彼女の美希だ。 「えっ。見逃したー」 と答えた。 「ありゃりゃー。私ちゃんと願い事言ったよ」 「どんな願い?」 「願いは言ったら効果がないらしいから、言わないー」 と屈託のない笑顔で伝えてくるその表情の彼女は満点の星空の下で1番に輝いていた。 びゅっー。びゅっっー。風が強くなってきた。 周りの木が ササッサとと揺れてる。 冬の寒空の下は冷えるなと思った。 「寒くなってきたねー!カイロ持ってないのー?」 「ごめん。車の中だ」 「ありゃりゃー。じゃーこうしよー」 そう言って彼女は僕の手を握ってコートのポケットにいれた。 そのまま手を絡めて手を握った。 これからずっと離さないように。 ブォン…ブォンン 車にエンジンをかけた。 ゆっくり山から降りていく。 「楽しかったねー。」 そう言いながら笑う彼女の顔が最高に僕を癒してくれる。 「ねぇ。私こんなに幸せだったこと今までないかった。私今すっごく幸せだよ。」 そんなことを言われて僕も笑って 「僕もだよ。幸せ。」 と柄にもないことを言った。 そしてふと彼女と初めて出逢った時を思い出した。 彼女が最も思い出したくない記憶。 僕が彼女を一生離さないと決めた記憶。
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