私がなんとかするしかない!

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 ただ、希望の光はある。レティシアは、リリアーナに対してだけは少しだけ積極的になるのだ。ほぼ初対面で大泣きしたのを見られているからだろうか。なにか主張があれば声をかけてくれるし、この間だって勘違いではあったが、泣いて辞職を止めてくれた。  きっとレティシアも心の底では人と関わりたいと思っているのだ。きっかけさえあれば他者にも心を許すことができるようになる。そうしたら誤解も解けて「悪魔令嬢」だなんて呼ばれなくなるはずだ。  問題は、レティシアが誤解を受けずに関われる他者は、恐らくリリアーナだけであるということ。たとえレティシアが心を許したとしても、誤解されたままでは彼女はいずれ傷ついてまた内にこもってしまうだろう。  リリアーナはレティシアが選んだレモンイエローのリボンを頭の後ろに編み込みながら目の前の鏡をチラリと見る。  鏡の中にはまるで絵画のように美しい少女が映し出されていた。  動かないよう言い含めたからか、レティシアは大人しく前を見つめているが、瞬き以外の動きが全くない彼女の顔はやはり少し不気味に見えた。  「レティシア様。私、決めました」  レティシアの青い瞳がギョロリと動いて、鏡越しにリリアーナの顔を見つめる。リリアーナは彼女の瞳を真っ直ぐに見つめ返して言った。  「レティシア様の人見知り、直します!」
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