恐怖のお茶会デビュー

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 大丈夫、いざとなったら「気分が悪い」と言って帰ればいい。実際、今のレティシアの顔色は日陰にいても分かるほど青白いので、その言い訳は十分な説得力を持つだろう。  「レティシア様はなにか素敵なことを考えていてください。ほら、あの美味しそうなカップケーキとか……あっ、サーシャ様のドレスもかわいらしくないですか?」  ずっと下を向いていたレティシアの目線がようやく上に上がってくる。案の定、彼女はサーシャのドレスが気に入ったようだった。カチコチだった表情もほんの少し柔らかくなっている。いつも彼女の顔を近くで見ているリリアーナくらいしか気づかないくらい、ほんの少しだが。  “素敵ね。それに、とてもお似合いだわ”  「直接言って差し上げたらいいのに……」  “そうしたいのは山々だけれど、今のわたくしには高すぎる壁だわ”  相変わらず文字は震えているが、周りを気にする余裕は出てきたようだ。これならなんとか乗り切れる。とりあえず今日は何事もなくお茶会を終えることを目標にしよう。  リリアーナが低すぎる目標を立てていると、シャーロットが再びこちらを向いてニコッと笑った。
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