ナス、ナス、ナス

1/1
0人が本棚に入れています
本棚に追加
/1ページ
独裁者数が高まると、ナスを食べる。そうすると独裁者数が下がって、民主主義数が上がる。そんなお話。 ある日、拳銃を持った男がコンビニに押し寄せる。 「お前ら手を挙げて、こっち側に寄れ!今から俺が全て決める!俺が法そのものだ!」と叫んだ。 この男は独裁者数が最高潮に高まっているようだ。だが、この世界の掟を知っている者ならこういう時、どうすればいいか知っている。 その掟を知っている女性が一人いた。ここの店員だった。女はそっとナスの炒め物を男に差し出す。 「まあまあ、これでも食べて落ち着きなされ」ごま油の良い香りが漂う。男はとてつもなく腹が減っていた。男は我慢できずにナスを頬張った。 すると、どうだろう。さっきまで最高潮だった独裁者数はみるみる下がり、民主主義数が急上昇した。 男は拳銃をしまい、走ってコンビニから逃げて行った。そして向かった先は警察だった。民主主義の精神のもと、自分の行いを恥じ、自首することにしたのだ。 ナスを食べると、独裁者数が下がり、民主主義数が上がる。そんな世界に住む人々のお話でした。
/1ページ

最初のコメントを投稿しよう!