【5】One Step

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「今日は、まず一歩だけ、進も」 「え?」  田村が何を言ってるのか、わかんなくて。目で問うと。 「いい感じで志麻さんのココ勃ってるから、このまま、手でヌいたげる」 「え……ええ!」 「黙ってそのまま、俺の手、感じてて。キス、してたら恥ずかしくないでしょ?」  そう言って、唇を田村のそれで塞いできた。  言葉通り、確かにこの状態なら俺の目はこの状況を見れないし、田村の掌が俺のモノを扱いてるって事実を、誤魔化せ……るわけあるかい!  と。反論しようとしたけど。  できなかった。  恥ずかしい、よりも。  キスが気持ち良くて。  ……だけじゃなくて、田村の手が俺のを扱いてるのも、すげー気持ち良くて。  なんかもー、どんどん先端から先走りが出てくるのもわかるし、そいつがまた、ぐちゅぐちゅってえっちな音、立てるし。  滑ってるの、器用に利用しながら俺のモノをぬちゃぬちゃ扱いてるから。  俺の口からはもう、恥ずかしげもなく声が出てくるわけで。 「んんっ……あっ……ふっ……んんっ」  必死になって田村の首に手を回してるけど。  もう、やだ。声、我慢できねえ。 「ココ、気持ちイイ? 先っぽ、ぐちゅぐちゅしたら、いっぱい出てくるよ?」  い、言うなよおおおお! わかってんだから!  手の動きだけじゃなく、更に田村の舌が俺の口ん中もぐちゅぐちゅしてきて。舌が、いつもより全然エロい動きしてるから。もう、わけわかんなくなる。  ヤバい、マジで、ヤバい!  根元とか、輪っかにした指でしゅこしゅこするし、袋もふにふに揉むし、先っぽなんてもう、ぐっちゃぐっちゃになってんの、自分でもすっげーわかるし!  ダメだ。これは、ダメだ。  こんなんされたら、もう、出したいってことしか、考えらんねー。 「んんっ……やっ……た……たむ……お、れもう……出るから、手……放して」 「やーだ、放さない。全然俺の手ん中、出していいから」 「や……やだ……んなの……あっ……も、……あっ」  放せよお。出るってば! もう!  田村の手が容赦なく動く。  から、俺のはもう、全然なんも遠慮なく、結局そのまま弾けてしまって。 「……やだ……もー……」  ダメだ、田村の目が見れない。恥ずかしすぎる。  俺が両手で顔を隠してたら。  田村はティッシュで全部綺麗にしてくれて。  それから、そっと、俺の手を顔から除けた。 「志麻さん。可愛い」  何がだよー、何が可愛いだよー! こんなん、ダメだろお。俺だけこんな、気持ちよくなってどーすんだよ。  てかもう。  俺も! なんで人の手ん中、出しちゃってんだよお。  半泣きで唇噛んでたら。 「気持ち、良かったでしょ?」 「き、訊くなよ! そゆこと!」 「いいじゃん。俺、すっげー嬉しいし」 「……うれ、しい?」 「うん、嬉しい。嬉しいに決まってんじゃん。俺の手でイってくれるって、めっちゃ嬉しい」 「そ……そういう、モン、なのか?」 「そーゆーもんだよ。そーゆーもん。だから、一歩前進」  前進って……言われても。  こんな辱めを受けるなんて……。 「イヤ?」  ううううう! 呻ることしか、できない。  だって、恥ずかしいけど、恥ずかしいのはイヤだけど、こんな気持ちいいの、初めてだし!  人にされてイく、なんて、もう。そんなの、されたこと、ないし。  女の子とヤってたって、手だけでイったことなんて、ない。  てゆーか、どっちかっつーとイかせる方に必死になってるトコもあったし。
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