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どこまでもどこまでも、優しくて。
なんかもう、俺はそれに、何を返してやれるんだろうか、って。
苦しくなったから。
「田村のも、俺、触りたい」
ゆってみた。
口に出して、その言葉を反芻して。
…………うん。大丈夫。俺にも、やれる。
「志麻さん、無理しなくていいよ。……そだな。じゃあ、このままじっとしててくれる?」
「え?」
「見なくていいし、触んなくていいから、このまま、志麻さん抱きながら、俺、コイツ収めるから」
そう言って、田村はゴソゴソと自分のズボンを脱いで。
俺の動きは、上半身でがっつり固めたまま、右手だけで自分のモノ、扱き始めた。
「志麻さん……好き」
吐息混じりの低い声で、俺の名前を、呼ぶ。
その声が、すごく色っぽいのは、きっと昂ってるから。
「あ……田村……」
背中に回してる手が、さわさわと俺の肌を撫でている。
俺は、田村にキスした。
一瞬目を開けて、驚いた顔をしたけれど。
舌を絡め、田村の口ん中、舐めるようにくちゅくちゅしてたら。
田村の息が更に荒くなる。
「んっ……」
ゴソゴソと腹の辺りで蠢くのを感じて。
俺は、そこに手を持っていく。
ココ、かな? とアタリを付けて手を動かして。
したら、多分。田村の先っぽらしきトコに、手が触れた。
「うっ……し、志麻さん、手……放して」
「んーん、俺も、やる」
田村が眉を顰める。快感のせいなのか、ほんとにイヤがってるのか。
でも、多分もう手が止められなくなってるみたいだから、そのまま先っぽ、ぐちゅぐちゅしてやる。
不思議と嫌悪感なんてなくて。
てかむしろ、その滑った感じが愛しくて。
自分で自分、ヌく時みたく先端をぐりぐり握ってやると、
「あっ……マジ、……志麻さん、手、どけて!……」
言われたけどそのままそこを捏ねていると、ナマあったかいモノが手の中に拡がった。
「志麻さんー、手、どけて、ってゆったじゃん」
「……ごめん」
「いや、あやまるの、こっちの方なんだけど」
俺の手をぐっと掴むと、掌の精液をぐいっと拭き取られた。
自分の以外のこんなの、触ったの、初めてだ。
「も、しなくていい、ってば」
「でも、俺ばっかじゃん」
「いんだってば。一歩ずつ、つったじゃん」
田村が、赤くなって言う。
怒ってんのか、拗ねてんのか。
可愛くて、ちゅ、と触れるだけのキスをした。
「しーまーさーんー!」
「俺も、田村のこと、好き、つってんじゃん」
じっと田村の全身を撫でるように見る。
そんで、お互いマッパで抱き合う。
「大丈夫だよ、こんくらい。好き同士なんだから、裸で抱き合ったって、いいじゃん」
田村の体温は俺より高くて。
だから、抱き合うとすごく、あったかくて。
田村のナニが自分にもろに当たるのも、もう、全然そんなの、嫌じゃないし。
まあ、俺のも押し当てちゃってるしさ。
そーゆーの、全部ひっくるめて、こーやって、肌重なるの、すごい気持ちいいから。
「志麻さん……」
「さすがに、最後までスるのはまだ、ちょっと怖いけど。こーゆーのもセックスだと思えば、俺は全然いくらでもできるよ」
ぎゅって田村の肩に鼻を押し当てながら、言う。
「一緒に、気持ちよくなろ。俺だけ、じゃなくてさ」
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