【6】Naked

4/4
前へ
/39ページ
次へ
 どこまでもどこまでも、優しくて。  なんかもう、俺はそれに、何を返してやれるんだろうか、って。  苦しくなったから。 「田村のも、俺、触りたい」  ゆってみた。  口に出して、その言葉を反芻して。  …………うん。大丈夫。俺にも、やれる。 「志麻さん、無理しなくていいよ。……そだな。じゃあ、このままじっとしててくれる?」 「え?」 「見なくていいし、触んなくていいから、このまま、志麻さん抱きながら、俺、コイツ収めるから」  そう言って、田村はゴソゴソと自分のズボンを脱いで。  俺の動きは、上半身でがっつり固めたまま、右手だけで自分のモノ、扱き始めた。 「志麻さん……好き」  吐息混じりの低い声で、俺の名前を、呼ぶ。  その声が、すごく色っぽいのは、きっと昂ってるから。 「あ……田村……」  背中に回してる手が、さわさわと俺の肌を撫でている。  俺は、田村にキスした。  一瞬目を開けて、驚いた顔をしたけれど。  舌を絡め、田村の口ん中、舐めるようにくちゅくちゅしてたら。  田村の息が更に荒くなる。 「んっ……」  ゴソゴソと腹の辺りで蠢くのを感じて。  俺は、そこに手を持っていく。  ココ、かな? とアタリを付けて手を動かして。  したら、多分。田村の先っぽらしきトコに、手が触れた。 「うっ……し、志麻さん、手……放して」 「んーん、俺も、やる」  田村が眉を顰める。快感のせいなのか、ほんとにイヤがってるのか。  でも、多分もう手が止められなくなってるみたいだから、そのまま先っぽ、ぐちゅぐちゅしてやる。  不思議と嫌悪感なんてなくて。  てかむしろ、その滑った感じが愛しくて。  自分で自分、ヌく時みたく先端をぐりぐり握ってやると、 「あっ……マジ、……志麻さん、手、どけて!……」  言われたけどそのままそこを捏ねていると、ナマあったかいモノが手の中に拡がった。 「志麻さんー、手、どけて、ってゆったじゃん」 「……ごめん」 「いや、あやまるの、こっちの方なんだけど」  俺の手をぐっと掴むと、掌の精液をぐいっと拭き取られた。  自分の以外のこんなの、触ったの、初めてだ。 「も、しなくていい、ってば」 「でも、俺ばっかじゃん」 「いんだってば。一歩ずつ、つったじゃん」  田村が、赤くなって言う。  怒ってんのか、拗ねてんのか。  可愛くて、ちゅ、と触れるだけのキスをした。 「しーまーさーんー!」 「俺も、田村のこと、好き、つってんじゃん」  じっと田村の全身を撫でるように見る。  そんで、お互いマッパで抱き合う。 「大丈夫だよ、こんくらい。好き同士なんだから、裸で抱き合ったって、いいじゃん」  田村の体温は俺より高くて。  だから、抱き合うとすごく、あったかくて。  田村のナニが自分にもろに当たるのも、もう、全然そんなの、嫌じゃないし。  まあ、俺のも押し当てちゃってるしさ。  そーゆーの、全部ひっくるめて、こーやって、肌重なるの、すごい気持ちいいから。 「志麻さん……」 「さすがに、最後までスるのはまだ、ちょっと怖いけど。こーゆーのもセックスだと思えば、俺は全然いくらでもできるよ」  ぎゅって田村の肩に鼻を押し当てながら、言う。 「一緒に、気持ちよくなろ。俺だけ、じゃなくてさ」
/39ページ

最初のコメントを投稿しよう!

95人が本棚に入れています
本棚に追加