755人が本棚に入れています
本棚に追加
家に帰りついた。
「じゃ、また明日!」
「ありがとうございました」
軽快な音をさせて帰っていく貴君を見送った。
ポストを見ると封書が二つ届いていた。
玄関灯もついてない真っ暗な家に入る。
「ただいま!タロウ!どこにいる?」
チリンとリビングで音がした。
ライトをつけると眩しそうな顔で、近づいてきた。
「ただいま、寂しかった?あ、ご主人様が帰ってきてたから、寂しくなかったか」
喉のあたりを撫でてやると、ゴロゴロと音を出す。
この猫独特の声というか音は、人の怪我にも癒しの効果があると聞いて、最近は余計に可愛く思えてきた。
「ご飯あげるね」
今日はカリカリの他にちゅーるもあげることにする。
カリカリと食べる音を聞きながら、持って入った封書を確認する。
一つはダイレクトメールでもう一つは旦那宛だった。
「税務署?なんだろう?」
旦那宛だから、開封しない方がいいかな?家族でもそれはしてはいけない法律があったような?
明日にでも本人に確認してからにしよう。
今日は疲れたからお風呂に入って…。
明日から仕事も楽しくなりそうな予感がしていた。
新しい友達ができたことだし。
仕事に行くのが楽しみになるなんて、思いもよらなかったけど。
今日の1日を思い出して、気分がよかった。
その封書が他にもあるなんて、思いもせず。
最初のコメントを投稿しよう!