7. そんなにあの子が大事なのか

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今車内だってメッセージ送ったら、衝撃の返信が来た。 ――日菜ちゃんが帰って来ないですって!? 思わず車内で叫びそうになって次の駅で降りて速攻電話した。 「一体どういうこと!?」 母の話はこうだった。 予定通り鎌倉の有名なお寺を回った後、古民家カフェで一休みしていた時に可愛い女の子が声を掛けてきた。彼女は久しぶりに再会した地元の友達だったようで、日菜ちゃんは席を移動してしばらく彼女と話をしていた。そして別の友達に会いに行きたいというので、暗くなる前に帰ると約束して祖父母は彼女と別れたという。 『ちょっと連絡してみてくれる? 私彼女と連絡先交換するのすっかり忘れてて』 「それが……日菜ちゃん、携帯持ってないのよ」 『えー、嘘でしょ!?』 まあ驚くよね。母に伝えてなかった私のミスだわ。 『じゃあ待つしかないの? 日菜ちゃんの地元の友達って仁くんも知らないかしら』 「どうだろう……ねえ、その友達ってどんな子だったの?」 『ちょっと待って、ねえお母さん……あ、写真あるみたい。今送る』 わわっ、いっぱい送られてきた! おー確かに可愛い。凄い美少女。流石日菜ちゃんのお友達。 うん? この顔何処かで見たような……彼女と同郷の芸能人なのかな? 「ねえ、日菜ちゃんの地元って何処?」 『やだ知らないの? 秋田ですって』 秋田……誰だっけ、なんか秋田出身って最近聞いた気が……
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