7. そんなにあの子が大事なのか

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「角館!」 『そうそう、聞いたけど忘れてたの?』 黒髪の美少女の顔が、白い髪の美少年に変換出来た。多分間違いない。 女装した冬真くん。 アイドルだってバレないように普段女装してるのかしら。 日菜ちゃんと知り合いだったのか。出身地教えた後、反応見てたのはそういうことか。私と彼女の関係がわからないから答えを教えなかったんだ。 2人は偶然会ったのかな……いや違う、多分あの時―― 「話はわかったから、いったん切るね。後でまた連絡する。それまで何もしないで待ってて」 私の携帯。勝手に見られただけじゃなくて、きっと何か仕組まれた。母とのやり取りで今日の日菜ちゃんの行動がバレたに違いない。 ってことは別の友達っていうのはきっと桜川陽だ。 え…… で…… 私、どうしたらいい? 呆然としてたら別の電車が到着して、駅の名前を告げるアナウンスが聞こえた。振り返って確認すると、そこは桜川陽のマンションの最寄り駅だった。 冬真くん、日菜ちゃん連れて部屋に戻っているかも。 部屋の番号は覚えてる。 行ってみようと決心して、私は駅を出た。
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