7. そんなにあの子が大事なのか

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でもマンションに着いて呼び出してみたら、応答はなかった。 いないの? 居留守? どうしよう。ここで待ってたら不審者だよね。 そうだ、とりあえず食事しようって近くのカフェに入ったら、イケメンと目が合った。 「また会ったね。運命で結ばれてるのかな」 夏目涼。会いたくなかったけど、使えるかも。 「私、あの2人に会いに来たんです。でも応答ありませんでした。仕事でしょうか?」 「は? 知るかよ」 別の男の話がまずかったのか、それともアンタは仕事ないのって嫌味に聞こえちゃったのか、背を向けて席に戻っちゃった。彼も1人みたい。でも席はカウンターじゃなくて、目の前に1つ空いている。 ごめん、怒ったって媚び売りながら座ってみようかと考えている間に、後から入って来た女性客2人が彼に話しかけてしまったので、私は観察出来る席を選んで座った。 嘘みたいに優しい笑顔。丁寧に写真断って握手して……え、バッグにサインするの? しかもボールペンで? また握手してバイバイして彼女達は大人しく別の席へ。 終止丁寧でにこやかな応対。私とは大違い。 ファンは大事にするってこと? それとも私よりずっと若そうな女の子だから? あー、彼女達が見てるからもう彼と相席は無理だな。 諦めて1人で食事をしていたら、先に食事を終えた彼が立ち上がった。 どうしよう、ファンを装って話しかける? 痛いファン装って追いかける?
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