7. そんなにあの子が大事なのか

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「報酬前払いしてくれるならいいよ」 やっぱりそうきたか。 「いくらですか?」 「お金じゃないよ。わかるでしょ」 私の体? そんなに価値ある? 「そういうことしたいなら、さっきの女の子達誘えばよかったじゃないですか。彼女達なら喜んで奉仕してくれるでしょう? 私とするよりずっと楽しいんじゃ……」 「なーんだ、嫉妬してた?」 長い腕が伸びてきて、一瞬で引き寄せられて、夏目涼の膝の上。 「違います、放して!」 「約束するよ。ちゃんと探す。だからいいだろ?」 えっ、嘘、もう脱がされてる! マジシャンか。 あ、芸能人って早く着替えなきゃならないこと多くて慣れてるのかな――じゃなくて逃げないとまたやられちゃう! すり抜けたと思ったらまた掴まって、背中に唇。 不覚にもビクンと仰け反った隙に後ろから抱き締められた。 「ファンには平等に接するルールなんだ。1人抱いたら全員抱かないと。それは無理だろ?」 「ルールって……事務所の?」 「そう。あと同業者との恋愛も禁止。俺真面目だからさあ、どっちも破ったことないよ」 だけど別のメンバーが破ってグループ全体の人気が落ちた。そしてライバルのグループは桜川陽がアイドルと熱愛発覚したのに上手く処理して相変わらず大人気。自分が本当にルールを守ってるとしたら確かにムカつくかも。 つまりこれって愚痴? 「ファンと同業者ダメってなるとナンパでもするしかないけど、簡単についてくるような女は信用出来ないし、誤解してると思うけど、俺誰とでも出来る男じゃないよ」 って項にキス。
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