7. そんなにあの子が大事なのか

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そう言われてカフェに同行してしまったけれど、大事な話っていうのは全然日菜ちゃんと関係ないことだった。 「20代って言うから会ってみたら29でさあ。それってもう30だろ? 事前に見せられた写真は3年前の奇跡の1枚だったし。まったく酷い目にあったよ」 この前紹介して貰うって言ってた女性の話。大分期待と違ったみたいだけど、自分は現在のリアルな写真見せたのかしら。 「話も全然盛り上がらなくて、お断りしますってこっちがお断りだよ。ほんとごめん、もう迷わない。俺、一条さんと結婚するよ」 あまりのショックに固まってしまった。 何この人。どうしたらこんなに自分の都合だけで生きられるの? 「でさあ、また変な女紹介される前に早く一条さんを両親に紹介したいんだけど、今度の日曜日に……」 ドルオタくんの視線が硬直したままの私の頭の上に移動して、彼も固まった。 「彼女は君とは結婚しない。2度と彼女につきまとうな。行くぞ」 腕を掴まれて、体が動いた。動かしたのは夏目涼――かと思いきや桜川陽だった。ドルオタくんはまだフリーズしたままだし、他の女性客や店員さんも彼に釘付け。まるで時が止まっていて動けるのが私達だけみたい。 「早く、こっち」 スッと路地裏に入ると、バイクがあった。 え、また乗れって? 「まだ私に何か用?」 「それはこっちの台詞だ。昨日ウチに来ただろ?」 そうでした。録画出来るタイプのインターホンなのか。 でもそれで私に会いに来るって、冬真くんから何も聞いてないの?
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