8.続きは部屋で話そうよ

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「危ないのはそっちでしょ」 そうだった! 「ねえさっきの写真ってどれ位拡散されてるの?」 「こっちで削除したから今は検索しても出てこないと思うけど、既に保存した奴等がばらまくかもしれないし、注意した方がいいよ」 「そう言われても……彼はどうして人目のある場所で誤解を招くようなこと――」 「わざとかもね」 「わざと?」 「記者を呼び寄せて話したいことがあるとか……まあ、とりあえず食事を楽しもう」 冬真くんが注文してくれた料理が届いた。綺麗な盛り付け。上品な味。食べ終えたら話を再開出来ると思ったけれど、冬真くんは言った。 「続きは部屋で話そうよ」 「え、マンション行くの?」 「違うよ、この上。マンションに出入りする所撮られたらマズイでしょ」 ホテルの部屋に移動すると冬真くんはウィッグを外し、出てきた白い頭をブンブン振った。 「あー女の子疲れたー。先にシャワー浴びさせて」 バスルームに直行する冬真くん。 つまり泊まるってこと? まあ休憩なんてないだろうし、泊まらなきゃ勿体ないか。 待ってる間に恐る恐るネットを調べてみたら、書き込みが見つかった。 『桜川陽、一般男性から彼女を略奪か?』 嘘と憶測だらけの元記事は既に削除されたみたいだけれど、まだネタにされてる。 『顔見たけどそんなに美人でもなかった』 『普通にオバサンだった』 これってさっきの子達が書いたのかしら。それともあの時周りにいた人? おっ、でも普通に綺麗な人だったって書いてくれてる人もいる。
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