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『年下のアイドルよりマシ』
まだ日菜ちゃんのこと根に持ってる人いるのかな。
『美人でもない一般人がなんで陽と付き合えるの?』
だから付き合ってないってば。じゃあ自分も付き合えるとか勝手に希望を持たないで!
うわー、凄い下品な言葉並んでるけど、これって男の書き込みよね? 彼のファンの女性達の書き込みではないことを祈るよ……
あまりに事実と違うから、自分が当事者だっていう実感がわかない。実際彼等の頭に浮かんでいるのは現実からかけ離れた虚像だ。でもついさっき、その虚像を私と結びつけた女子高生に攻撃された。幸い大した破壊力はなかったけど、もっと強い攻撃を受ける可能性もあるのかしら。
やだやだ、考えたくない!
「お待たせー」
冬真くんが戻って来た。白いバスローブを着て、白いタオルで白い髪を拭いている。黒い美少女も可愛かったけど、やっぱり白い美少年の方が可愛いな。
「波美さんもシャワー浴びて来たら?」
「えっ、私はいいよ、帰るし――」
「なんで? 今日独り暮らしの家に帰るより僕とここに泊まる方が怖い?」
濡れた髪で首を傾げる冬真くん。
化粧落としてカラコン外した素顔。
こっちの顔の方が好きだな。
ナチュラルに大きな目。この顔だと女の子には見えない。
「様子見に行って必要だったら保護しろって陽に命令されたんだよ。被害に遭ってたから保護したつもりだったんだけど、不必要だった?」
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