8.続きは部屋で話そうよ

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『年下のアイドルよりマシ』 まだ日菜ちゃんのこと根に持ってる人いるのかな。 『美人でもない一般人がなんで陽と付き合えるの?』 だから付き合ってないってば。じゃあ自分も付き合えるとか勝手に希望を持たないで! うわー、凄い下品な言葉並んでるけど、これって男の書き込みよね? 彼のファンの女性達の書き込みではないことを祈るよ…… あまりに事実と違うから、自分が当事者だっていう実感がわかない。実際彼等の頭に浮かんでいるのは現実からかけ離れた虚像だ。でもついさっき、その虚像を私と結びつけた女子高生に攻撃された。幸い大した破壊力はなかったけど、もっと強い攻撃を受ける可能性もあるのかしら。 やだやだ、考えたくない! 「お待たせー」 冬真くんが戻って来た。白いバスローブを着て、白いタオルで白い髪を拭いている。黒い美少女も可愛かったけど、やっぱり白い美少年の方が可愛いな。 「波美さんもシャワー浴びて来たら?」 「えっ、私はいいよ、帰るし――」 「なんで? 今日独り暮らしの家に帰るより僕とここに泊まる方が怖い?」 濡れた髪で首を傾げる冬真くん。 化粧落としてカラコン外した素顔。 こっちの顔の方が好きだな。 ナチュラルに大きな目。この顔だと女の子には見えない。 「様子見に行って必要だったら保護しろって陽に命令されたんだよ。被害に遭ってたから保護したつもりだったんだけど、不必要だった?」
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