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「日菜の盾になってくれるってこと? ありがとう!」
うおおおー、冬真くんにハグされた!
「でもそれより陽を止めた方がいいよね。だってもう引退したって日菜は手に入らないわけじゃない?」
うーん、そうでもないかもしれないけど……日菜ちゃんは後藤のこと何処まで冬真くんに話したんだろう。
「ねえお願い、日菜は陽のこと恨んでないし今は幸せだからそっとしておいてあげてって、波美さんから陽に伝えてよ」
「え、私が?」
「だって日菜を見つけたのに陽に知らせてないことがバレたら、僕裏切り者になっちゃう」
ああ……でもだからって私?
「あっ、来た」
冬真くんの携帯に着信。
「うん、いるよ」
突き出された画面に桜川陽!
逃げる前に目が合っちゃった!
『悪い、大丈夫か?』
「え、あ……知らない人に暴言吐かれましたけど、まあ……」
『ヘルメット外してるの忘れてつい声掛けちまった。すまなかったな』
「ああ、いえ……助けていただいてありがとうございました」
『あいつのことも、俺とのことも、何かあったら弁護士紹介するから言えよ。冬真』
「はい、どうぞ」
って冬真くんから『ゆきの』って書かれた可愛い名刺を渡された。
『じゃあ気をつけて――』
「あーちょっと待って! 波美さんが言いたいことあるって!」
えー、さっきの話? 言うの? 今!?
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