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「ダメだとしても、僕としたいでしょ? 皆そうだから。ごめんねって謝りながら抱かれたことも何度もあるよ」
細く優しい指で触れながら囁く。
受け身を知る指の動き。男性なのに女性の痛みを知る動き。
でもこういうのはダメだよって諭すべきだと思うのに、情けない体は興奮して行く。
「謝らなくてもいいのにね。気持ち悪い相手でもしたらそれなりに気持ちいいし、僕、セックス好きだよ。波美さんは嫌い?」
嫌いというより苦手だ。
どうしていいかわからない。
抱くなんて無理だし、抱かれ方もよくわからない。
でも冬真くんはよく知っていて――
気がついたら全て終わって、冬真くんは虚ろな目で私を見下ろしていた。
「イケたでしょ? 僕も満足だよ。これで寝れるね」
イケたって……さっきのあれか。31歳にして初体験。まだ体の奥が震えてる気がする。
私のおでこにキスして、冬真くんはシャワーも浴びずに隣のベッドに戻った。私はシャワーを浴びなきゃと思ったけれど、動く気になれなくてボーッとしている間に眠りに落ちてしまった。
そして目が覚めた時には、白い美少年はもういなかった。
枕元には、精算は済んでるから12時までにチェックアウトしてねってメモとサンドイッチ。
今何時だろう。流石にまだ12時にはなってないよね……じゃなくて、会社!
急いでシャワー浴びて支度してチェックアウトして、歩いても行けるけど念の為地下鉄に乗っていつもの駅で下車して会社へ。
あー間に合ったってパソコンを起ち上げたら、メールが沢山届いてた。
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