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生活が変わると、会う人も変わる。
朝時々会う後藤とは――
「おはよう」
「おう」
ってな挨拶を交わす仲になった。
仲って程でもないか。
それともう1人、旧友と再会した。
「――波美?」
近所のスーパー。
呼ばれて振り向いたら笑顔があって、その輪郭を脳内でギュッと絞ってみたら、懐かしい顔になった。
「ゆか?」
「久しぶりー」
中学の同級生。
仲良かったけど、すっかりご無沙汰してた。
「波美全然変わらないね。私は子供産んで太っちゃって、どこのオバサンかと思った?」
「へえ……お母さんなんだね」
「うん。波美は?」
全然悪気はないんだろうし、当然の流れだけれどチクッと胸を刺された。
ま、私もどこのオバサンかと思ったっての否定出来ないからお互い様か。
「独身」
「独り暮らし?」
「ううん、実家に住んでる。ウチ、母親独りになっちゃったから」
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