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というか自信がなくて聞けない。
夏目涼を好きになるとか、まして愛するとかハードルが高すぎる。
芸能人の彼の唯一かけがえのない存在になるなんて、そんな覚悟出来ない。
と言ってハッキリお断りする勇気もないから曖昧のままでいたい。
ああ、ダメだ。
私はなんてダメでズルイ人間なんだろう。
会社の女性達に嫌われて当然だ。
いじめられて当然の、最低な女だ。
『まあ僕は波美さんは涼さんの彼女だって思っておくよ。もう2度と睡眠導入剤代わりになんてしないから安心して』
睡眠導入剤だったんだ、私。
「冬真くんあの……偉そうなこと言うようだけどその……女の子の方が誤解するかもしれないから、愛のない関係はほどほどにね?」
『大丈夫。僕そういうの敏感だから、セックスに意味を求める相手は抱かない。怖いもん。じゃ、お休み』
「お、お休みなさい」
あー恥ずかしい、恋愛初心者が上級者に説教してしまった。
でもそうか、私はセックスに意味を求めない女に見えたのか。
意味っていうか価値を置いてないのかも。
冬真くんも、私も。
そして軽んじ過ぎた結果、その本来の目的を忘れていた。
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