9.無理しなくていい

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順調に仕事を終えて帰宅して、自宅の門を開ける前に隣の家の窓を見上げた。明かりがついているってことは、後藤はもう帰ってるんだろう。 昨日のお礼をしようかな。 日菜ちゃんが来てくれたこと話そうかな。 窓を見ながらしばらく迷ったけど、2日連続は迷惑かなと思って止めた。 それより今日は自炊に挑戦してみようと簡単そうなレシピを見つけてその通りに作ってみたけれど、微妙な仕上がりになった。 「えー、時間測ったのに……」 少し焦げてる。 まあ自分で食べるだけだからいっか。でもこれ誰かに食べさせたら何て言われるかな。 冬真くんはストレートに焦げてるじゃんって指摘して食べてくれなそう。 夏目涼は、おー頑張ったじゃんって一応食べてくれた後、無理して料理なんてしなくていいよって言うかな。 後藤は、失敗の原因を説明した後、作り直してくれそう。 あーダメだ、こんなの誰にも出せない。 出来ない、面倒くさいで逃げてないで少しは料理も覚えないと恥ずかしいかも。 そう反省したので翌日もレシピ動画を見ながら帰宅して、スーパーで食材を買おうとしたら、後藤に会った。 「あ……先日はどうも」 「いや。体調良くなったか?」 「はい。お陰様で」 止まっていた生理も再開したよ。 「そうか」
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