2.変わらないね

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「あっちゃん半年で出戻ったんだよ。結婚祝い返せっての」 どうやら集まったのは、人妻2名、バツイチ1名、未婚者1名らしい。 「波美はなんで独身?」 「波美んち、お父さん亡くなって母子家庭だから色々大変で婚期逃しちゃったのよね?」 みーたんからの直球を、ゆかが打ち返してくれたと思いきや直撃。 ――私もう婚期逃しちゃったの!?  「良かったじゃない。結婚なんてしても幻滅するだけだよ。母親と2人暮らし最高じゃん」 まあ確かに快適だけど、そういう言われ方すると違うような気がする。そんなに興味ないっていうか、まだ先でいいと思ってたけど……私、結婚したいのかな?  いい機会だからその辺のことを掘り下げて貰おうかと思ったけれど、ゆかが話題を変えた。 「みーたん、それ○△※の☆▼♯?」 え、今なんて? 「そう、いいでしょ」 「うん、子供に見せたい。写真撮っていい?」 いいよーってポーズするみーたんを不思議そうに眺めていたら、写真を撮り終えたゆかに聞かれた。 「波美はアニメとか見ない?」 「うん、あんまり……」 そう答えたら、みーたんの鮮やかな髪色と独特の髪型は今流行っているアニメの人気キャラクターを真似たものだと説明しながら画像を見せられた。 「ほんとだ。え、そっくり、凄いね」 「でしょう? この色出すの苦労したんだ。維持も大変なんだよ」 へー。でも好きな相手は鑑賞するものであって、自分がなりたいなんて思わないなと考えていたら、予期せぬ方向に話が進み始めた。
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