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「離れてみてはっきりわかったよ。俺、波美のこと大好き!」
罪悪感が重くのしかかる。
ああ、ごめん。
本当にごめん。
涼、こんなに綺麗なのにね。
とんでもなく軽い男かと思ったけど、付き合ってみると意外と真面目でいい奴なのにね。
セックスも、最初に比べれば随分マシになったし。
「おっと、興奮して忘れる所だった。避妊はちゃんとしないと」
うん、そうだね。偉い、偉い。
「ちゃんと順番は守りたいもんな。ファンの皆に報告して、皆に波美のウェディングドレス姿をお披露目して盛大に祝って貰って、1年位は2人きりで新婚生活楽しんで、子どもはそれからだよね。波美は脚が綺麗だからさ、ハイ・ローのドレスがいいな。前はキュートに短くて、後ろはエレガントに長いやつ。俺は――え、ちょ、波美、どうした?」
「ごめん、そこまで考えてくれてたんだなって……」
涙が溢れて来てしまって焦った。
「感動しちゃった?」
違う、耐えきれない罪悪感だ。
「待ってて、タオル――」
「いいよ、大丈夫。続けて」
今ここで別れ話なんて出来ない。
引き延ばしたら傷が大きくなるかもしれないけれど、今はダメだ。
グループ結成10周年を控えた大事な時期で、私は何故か彼の原動力になってしまっているのだから、今すぐエネルギーを奪うわけにいかない。
だから――
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