77人が本棚に入れています
本棚に追加
「ね、早く……」
私は酷い女だ。
だから罰して欲しい。
痛くして、乱暴にして。
自分勝手に欲望のままに。
でも夏目涼は嘘みたいに優しかった。
「どうしたの? なんかいつもと違う……」
「ああ、体の関係になるとすぐに振られるって相談したら、指導してくれたんだ」
は? 誰が?
「女の人じゃないし、浮気とかそういうんじゃなくて指導だから。監督さんと2人でお酒飲んだ時に恋愛の話になって、ちょっと俺の胸触ってみろって言われて監督の胸触らせて貰ったら全然ダメだ、こうだよって――」
それ、セクハラ!
っていうか無意識に枕営業しちゃったんじゃない……?
「そ、そうなんだ。撮影は順調だったの?」
「いや大変だったよ、聞いてたより出番多くて」
うん、監督さんに気に入られたんだね。色んな意味で。
おおっ、こ、これは……
「俺、上手くなった? それとも久しぶりの刺激に興奮してる?」
「ん……あっ……」
アンタ、どんだけ指導されたのよ!
なんてことだ。
頭の中にはまだ後藤がいるのに、夏目涼の愛撫に感じてしまう。
ダメだ、全然罰にならない。
諦めて快楽に溺れた。
最初のコメントを投稿しよう!