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動くステージから小さなカートに2、3人ずつ乗り換えて、更に細かく客席を回る。遠くに行っても夏目涼を目で追ってたら、別のカートに遮られた。
来た、桜川陽!
うっわー、今日はまた一段とお綺麗で。
おっ、しかもここでカート止まって1人ずつ挨拶か。
スプリングとサマーのメンバーはそれぞれ5人。
ステージ前方で止まっているカートに乗ったサマーのメンバーから順番に挨拶。
サマーのラストは夏目涼。
「皆、盛り上がってるか?」
ワーワーキャーキャーちゃんと皆声出してくれたけど、スクリーンに大写しになった夏目涼は不満顔。
「おい10周年だぞ、もっと頂戴」
長い腕を大きく動かして強請ると、ウギャーワー涼ーってありがたい声援が飛ぶ。
「よし、最後までついて来てくれよ」
見てて恥ずかしくなっちゃったけど、やっぱりカッコイイ。
次いでスプリングのメンバーが順番に挨拶して、最後は桜川陽。
「ついにこの日が来ました。スプリング、そしてサマーの10周年記念ライブにお集まりくださり、ありがとうございます」
さっきの夏目涼とは全然違う真面目な挨拶をして頭を下げる。関係者席の前だし、ファンに向けてじゃなくて仕事でお世話になっている人達向けかな。
「これまでずっと応援してきてくれた皆さんも、初めてライブにきてくれた皆さんも今日は思いきり楽しんで下さい」
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