10.感動しちゃった

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「準備はいい?」 「行くよー」 桜川陽と同じカートに乗ったスプリングのメンバーの合図でスクリーンに真夏の海。 大きな波が砕けて会場一面に青い光が広がる。 次の波と同時にステージの上からサマーのメンバーがサーフボードに乗って現れた。 そのまま波の上を滑るように降りてくる。 そしてボードから飛び降りてワイヤーアクションのハーネスと一緒にラッシュガードを脱いだ。 波が消えて5分割されたスクリーンに、水着姿の5人の上裸が映し出される。 キャアアアーってもう皆大興奮。 ベッドで面と向かってると恥ずかしくてちゃんと見れなかった夏目涼の体を改めてじっと眺めた。 ほー、いい体。 私、あの体に抱かれてたのか。信じられない。 海の浅瀬のようにライトアップされたステージの上で歌う水着姿の男達。 そこに白いワンピースを着た女性達が現れて、男女ペアで踊り出した。 いや女性じゃない、女装したスプリングのメンバーだ。 夏目涼とペアになっているのは桜川陽。わー、お似合い。 そんなに化粧してなさそうだけど表情を作るのが上手いのか、アップになっても綺麗な女性に見える。流石だわ。 花道を練り歩いてステージに戻ると女装のスプリングのメンバーが前に立ち、サマーのメンバーがバックハグして――ワンピースを剥ぎ取った! 同時にウィッグを自分で取って頭を振ると美女から美男に早変わり。サマーは退場して今度はスプリングが歌い出す。 更に衣装を替えながらスプリングとサマーが入れ替わって歌い続けた後、全員メインステージに集合して――あ、出てきた、冬真くん! 「10周年おめでとうございまーす」 かーわいいなー。 冬真くんの他にも研究生が2人、キャー、可愛いって迎え入れられて舞台の端に3人並ぶ。 彼等が司会進行でゲームが始まった。 
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