10.感動しちゃった

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スプリングが一歩リードで第2対決はお絵描き。 「お題の絵を描いて、会場の皆さんの拍手が大きかった方に得点が入ります」 「えー、それって人気者が有利じゃない?」 「どちらが描いたかは、わからないようにします」 「じゃあ絵が上手い方が勝ちってこと?」 「それは会場の皆さんにお任せします。気に入った方に拍手して下さい」 各グループから1人ずつ手元を覆われたテーブルへ。「どうぶつ」とか「たべもの」とか大きなお題なので、モチーフ選びにも個性が出る。 夏目涼と対戦者へのお題は「はる」だった。 最初にスクリーンに映し出されたのは桜の花。うん、結構上手。 もう一方は人の顔? 高い鼻、キリッとした眉、瞳にも周囲にもキラキラ。あー、これ春じゃなくて陽か! 「あー、これは陽大好きなあの人ですね」 桜の絵の方が上手いけど、拍手が大きかったのは桜川陽の絵だった。 それを描いたのは夏目涼!? え、勝手にライバル視してると思ってたけど、桜川陽のこと大好きだったの? その桜川陽とサマーのメンバーがラスト対決。お題は「なつ」だった。 「じゃあもうこれはね……」 「夏と言えばね」 おおっ、2人とも人の顔描き始めた。大きな目に大きな口、夏目涼! 「うわ、これどっちも似てますね」 でも桜川陽の方が勝って、相手チームに点が入ったのに夏目涼は喜んでる。 「おい、喜んでる場合じゃないぞ、負けてるぞ」 「大丈夫です、まだ逆転出来ます。最後の勝負はリレーです」 花道をメンバーが駆け抜ける。 リレーなんて見るの久しぶり。走る男子ってカッコイイ。
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