10.感動しちゃった

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「涼、俺に任せろって言ってくれたじゃないか」 「言ったけど無理……だよ、陽の代わ……りなんて出来な――」 あー、ウズウズする。 可哀想だし、恥ずかしいし、夏目涼を浚って逃げ出したい。 でもステージにいる彼を助けることが出来るのは私じゃなかった。 「出来るよ。だって皆がいるから。皆さん、どうか夏目涼を応援してやって下さい。彼がフォーシーズンズのリーダーです」 力強く呼びかける桜川陽。 スタッフから受け取ったタオルを差し出す冬真くん。 他のメンバーにも励まされて、ファンの声援を受けて、夏目涼は顔を上げた。 グチャグチャに泣いた後でも爽やかな、アイドルの笑顔。 そうか。 夏目涼はこれからも、いや、これから更にもっとアイドルとして頑張って行くんだ。 じゃあ私は―― 私に出来ることは――
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