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「涼、俺に任せろって言ってくれたじゃないか」
「言ったけど無理……だよ、陽の代わ……りなんて出来な――」
あー、ウズウズする。
可哀想だし、恥ずかしいし、夏目涼を浚って逃げ出したい。
でもステージにいる彼を助けることが出来るのは私じゃなかった。
「出来るよ。だって皆がいるから。皆さん、どうか夏目涼を応援してやって下さい。彼がフォーシーズンズのリーダーです」
力強く呼びかける桜川陽。
スタッフから受け取ったタオルを差し出す冬真くん。
他のメンバーにも励まされて、ファンの声援を受けて、夏目涼は顔を上げた。
グチャグチャに泣いた後でも爽やかな、アイドルの笑顔。
そうか。
夏目涼はこれからも、いや、これから更にもっとアイドルとして頑張って行くんだ。
じゃあ私は――
私に出来ることは――
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