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「波美……波美……本当にもう終わりなの?……なあ本当に俺から……離れたいの?」
この状況でその質問はズルイ。
大きな決心まで揺さぶられてしまう。
いっそ崩れてしまいたくなる。
涼と一緒に叩かれて壊れるなら、それでもいいと思ってしまいそうになる。
「あっ、ああっ!」
「うっ、ああっ!」
ドクン、ドクン、ドクン
抱き合った彼と私の体が共鳴する。
なんて心地良いリズム。
でもやがて快楽の波が去ると、私は彼を置いてベッドから立ち上がった。
そして裸の後ろ姿の脚に視線を感じながら、脱がされた服をかき集めて黙ってバスルームへ。
彼は追いかけて来なかった。
バスルームから出ると、彼も服を着てリビングのソファに座っていた。
「泊まらずに帰るんだろ?」
「ええ」
もうすぐ日付が変わる時間。
でもこれ以上ここにいたらダメだ。
朝までにまた揺さぶられてしまうから。
「じゃあ一緒に帰ろうって」
「え……誰と?」
「行けばわかるよ」
共通の知人って桜川陽と冬真くんしかいないから、冬真くん?
このマンションに住んでる別の誰かの部屋に遊びに来ているの?
「エレベーター降りた所で待ってるって」
「はあ……」
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