11.体だけでいいから

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「波美……波美……本当にもう終わりなの?……なあ本当に俺から……離れたいの?」 この状況でその質問はズルイ。 大きな決心まで揺さぶられてしまう。 いっそ崩れてしまいたくなる。 涼と一緒に叩かれて壊れるなら、それでもいいと思ってしまいそうになる。 「あっ、ああっ!」 「うっ、ああっ!」 ドクン、ドクン、ドクン 抱き合った彼と私の体が共鳴する。 なんて心地良いリズム。 でもやがて快楽の波が去ると、私は彼を置いてベッドから立ち上がった。 そして裸の後ろ姿の脚に視線を感じながら、脱がされた服をかき集めて黙ってバスルームへ。 彼は追いかけて来なかった。 バスルームから出ると、彼も服を着てリビングのソファに座っていた。 「泊まらずに帰るんだろ?」 「ええ」 もうすぐ日付が変わる時間。 でもこれ以上ここにいたらダメだ。 朝までにまた揺さぶられてしまうから。 「じゃあ一緒に帰ろうって」 「え……誰と?」 「行けばわかるよ」 共通の知人って桜川陽と冬真くんしかいないから、冬真くん? このマンションに住んでる別の誰かの部屋に遊びに来ているの? 「エレベーター降りた所で待ってるって」 「はあ……」
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