11.体だけでいいから

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日菜ちゃんは冬真くんの招待を断って会場には行かず、自宅で配信を見たらしい。 「日菜ちゃんは冬真くんが新しいグループに加入すること聞いてたの?」 「いいえ。だからびっくりしました。ちゃんとやれますかね」 「大丈夫じゃない? あのステージで堂々と振る舞ってたし、可愛いからきっと人気出るよ」 そんな話をしている間に、車は私の家に近付いて来た。 「ねえ日菜ちゃん、もう遅いからウチに泊まっていかない?」 「いいんですか? でも仁に会ったら気まずいかな」 「ウチに車が停まる音聞いたら、多分あっちが避けて出てこないと思う。朝も会わないようにこっそり出掛けるんじゃないかしら」 「ああ、仁は人見知りでしたね」 「でも明日は燃えるゴミの日だから、早起きすれば2階の窓からこっそり姿を見られるかもよ」 「おおー、それはいいですね」 というわけで、日菜ちゃんはウチに泊まって行くことになった。 「わー、波美さんち懐かしい」 「その節は本当にお世話になりました」 「いえいえこちらこそ。波美さんがいなかったら、私は今頃どうなっていたことやら」 そうかな。 私が何もしなかったら、まだ後藤と一緒にいられたかもしれないよ? 後藤の家に明かりはない。もう真夜中だから当然だけど。 「早朝仁ウォッチングするには、明日何時に起きればいいですか?」 「6時半で大丈夫だよ」 「ちゃんと起きられるように、もう寝ましょうか」 えっ、後藤の話したいけど――
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