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「日菜ちゃん、明日も仕事? 何時にここを出ればいいの?」
「波美さんと一緒で大丈夫ですよ」
そっか。じゃあ朝話そう。うん、深夜に話したら眠れなくなりそうだから。
後藤のこと、そして別れたばかりの夏目涼のこと。
色々考えちゃって眠れないかなと思ったけれど、日菜ちゃんの可愛い寝息を聞いていたら私もいつの間にか眠りに落ちていた。
そして朝。
「ここに鏡を設置して、静かに窓を開けましょう」
「そして窓を開けたら極力音を立てないようにですね」
準備完了、仁ウォッチング開始。
でもなかなか現れないから、日菜ちゃんに囁いた。
「日菜ちゃん、私見張ってるから着替えたりしてきていいよ」
無言でうなずき合って交代で身支度。
でも仁は出て来ない。
「おかしいわね。ゴミ出さないのかしら」
「独り暮らしですからね。毎週は出さないのかも」
「でも生ゴミは?」
「ゴミ処理機あります」
マジか! じゃあ多少溜めても大丈夫ってこと?
朝食を2階に運んで食べながらウォッチングを続けたけれど、結局後藤は姿を現さなかった。
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