あまり物ですがどうぞ

１２．付き合おうか

「そうだね。貴重なご意見ありがとう。でも私、後藤くんに避けられてるみたいで、最近全然会えないのよ」
「家に後藤しか住んでないんでしょ？　だったら電気ついてる時に作り過ぎちゃったから食べてーってお裾分けに行けばよくない？」
「えー手料理は怖くない？　結婚したがってるみたいで引くよ」
「じゃあお酒は？　いいワイン貰ったから一緒に飲もうとかさ」
「それ下心丸出しじゃない？」
「じゃあ駅で待ってて一緒に帰ったら？」
「それストーカーじゃん」

うーん、皆色々考えてくれるけれど、なかなかいい案が浮かばない。

「何処か通ってる店とかジムとかあるといいんだけどね」

そういうのがあったら日菜ちゃんが教えてくれているはずだけど、彼女達と別れて家に帰ってから日菜ちゃんに聞いてみた。

「ねえ、後藤くんって何処か通ってる店とかジムとかないかな？」
『ああ、通ってるって程ではなくいですけど、たまにプールで泳いでから帰って来ましたよ』

おー、それだ！

「何処のプール？」
『ごめんなさい、場所はわかりません』
「ウチの近所か会社の近所かもわからないかな？」
『うーん……あっ、プールに行った日は必ずお土産買って来てくれてました』
「どんなお土産だった？」

とりあえず思い出せるだけお土産について聞き出してメモした。

「ありがとう。調べてみるよ」
『中途半端な情報しかなくてごめんなさい。頑張って下さいね』
「うん、頑張るね」

帰りに寄るなら通勤ルートから外れた駅ではないだろう。目星をつけた駅に隣接する商業施設のフロアガイドを見たら、日菜ちゃんから聞いたお土産の情報と一致した。