12.付き合おうか

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「そろそろイルカショーの時間だけど、どうする?」 「見たい、行こう!」 ショーを見て、お昼を食べて、またじっくり魚を見て、お土産を買って、そろそろ帰ろうかって外に出た時にはまだ明るかった。 「ありがとう、フウセンウオ見れたし、楽しかったよ」 「うん、俺も久しぶりに色んな魚見れて良かったよ」 後藤はそう答えて自然に駅の方向に歩き出した。 このままでは初デートが終わってしまう! 「後藤くん、この後予定あるの?」 「いや、別に……」 「じゃあせっかくだから、この辺ちょっと散歩しない? あの川沿い見て、花が咲いてる」 「ああ……いいよ」 よし、とりあえず駅から遠ざかろう。 でも何の話をしようかと考えていたら、後藤に言われた。 「一条さ、俺が離婚したこと誰かに話した?」 「ああごめん、あの……私と後藤くんが一緒に歩いてたって噂になってて、不倫じゃないって釈明する為に――」 「そうだったのか。そういうことなら仕方ないな。こっちこそごめん」 「ううん、先に後藤くんに相談するべきだったね。誰かに何か言われた?」
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