12.付き合おうか

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「一条、足は大丈夫か?」 「うん、私までお世話になっちゃって、親切な病院で良かったわ」 私は笑顔で答えたけれど、後藤は深刻な表情をしていた。 「浅い川でも危険なのに、一条を巻き込んでしまって本当にすまなかった」 「そんなこと――」 「いや、大事なことだよ。一条に何かあったら俺は――」 「父に申し訳ない? そういうのもういいわ」 「え?」 言ってしまった私も驚いたけれど、もう止まらなかった。 「一緒にいるのは私なのに、後藤くん全然私のこと見てくれないんだもん。なんか……寂しくなるよ」 わっ、私今、後藤に何言った!? やばい、やばい、やばい。 恥ずかし過ぎて後藤の顔見れないって思った瞬間、足が勝手に逃げ出した。 「おい待てって、サンダルで走るな」 無理無理無理、あんなこと言っちゃって、一緒に家まで帰るとか無理。 「一条!」 ここから家まで1時間以上掛かるもん。 しかも後藤んち隣だもん。
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