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「出来たあ、見てみて」
皆と一緒に鏡を見て驚いた。化粧でこんなに変わるのかって。
「おおー、これはこれは」
私を見る皆の目が輝いていた。
人からそんな目で見られるの初めてで、戸惑って、でも悪い気はしなかった。だから言われた通り着替えて、ポーズして写真を撮った。
で、翌日。
土曜で休みだったから昼過ぎまで寝ていて、携帯の着信音で目が覚めた。何事かと思って開いてみたら、この前連絡先交換しあった3人が、あのコスプレ写真で盛り上がってた。
ほー、我ながらイケメンかもって眺めてたら、実物見たいって言われた。
自分でこんな化粧出来ないし、寝て起きたら髪もこんなにちゃんとしてないよって返事したら、あっちゃんに聞かれた。
『ねえ、お昼食べた?』
もちろんまだだし、昨日化粧したまま帰ったから明るい所で顔見られるの恥ずかしくてコンビニに寄らなかった。だから家に何も食べる物なくて――
来てしまった。
あっちゃんの家。
昔何度か来たことがある、オシャレな家。
通された部屋でアンティークな椅子に腰掛けて綺麗なお庭を眺めながら薔薇の花びらが浮かんだ紅茶を頂く。あーいい香り。
ゆか達も来ると思ってたけど私だけみたい。図々しかったかなと恐縮しつつ、アフタヌーンティーのスタンドに並んだサンドイッチやらケーキやらを堪能していたらあっちゃんママに聞かれた。
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