13.その気あるんでしょ

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和やかに食事を終えると、お爺ちゃんは酒とつまみを持って後藤を自分の部屋に連れて行った。 「じゃあ私達も女子会しましょうか」 後藤とお爺ちゃんが私達の為に買って来てくれたデザートを食べながら、久しぶりに母とお婆ちゃんといっぱい話した。家の掃除はちゃんとしてるかなんて耳の痛い話もされたけれど、そんなこと言ってくれるの親くらいだし、毎日だったらうんざりだけどたまに聞くのはありがたい。 そして夜も更けた頃、後藤が独りリビングに戻ってきた。 お爺ちゃんが寝てしまったというので、皆で部屋に行って布団を敷いて寝かせた。 「仁くん、お爺ちゃんの相手してくれてありがとうね」 「いえ、こちらこそ親身になって話していただけてありがたかったです」 お酒飲んでも後藤は真面目だなあ。 「仁くんもここで寝る?」 「あー……テンテンちゃんが気になるので出来れば同じ部屋で」 「着替えはどうする? お爺ちゃんのじゃ小さいわよね」 「下着は買ってきました。パジャマは浴衣でいいだろって言われたんですけど……」 「ああ、そうね。波美も浴衣着る?」 うーん、思いっきり開けそうだけど、まあいいか。 「じゃあ私、下着買ってくるわ」 コンビニに行って戻ってくると後藤はお風呂に入っていた。 まだ一度に沢山食べられないテンテンちゃんに深夜の餌をあげて順番待ちをしていると、湯上がりの後藤が浴衣姿でやって来た。 「一生懸命餌食べてるね」 真横で屈んだ後藤から、フワッとボディソープの香り。 濡れた髪の横顔。 浴衣から覗く胸元。 ヤバい、ヤバい、ガン見してしまう。
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