13.その気あるんでしょ

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「じ、じゃあ私もお風呂入って来るね」 「うん。テンテンちゃんは俺が見てるよ」 浴衣の後藤、セクシー過ぎる。 逃げるように部屋を出てお風呂に入って、お婆ちゃんに浴衣を着せて貰った。 「はい、じゃあ仁くんにお休みの挨拶して来なさい」 え、後藤にこの姿見せるの!? でもまあ挨拶はした方がいいよねって、ドキドキしながら後藤の元へ。 彼はさっきの姿勢のまま、食事を終えて寝始めたテンテンちゃんを見守っていた。 「テンテンちゃん、ご飯全部食べた?」 「ああ。この家で飼って貰えて本当に良かったよ。ありがとう」 「私は何も……じゃあ……お休みなさい」 「お休み」 浴衣で微笑む後藤。 ああ、やっぱりドキドキする。 「一条」 部屋を出ようとしたら声を掛けられて、何って振り向いた私に、彼が言った。 「浴衣、似合ってる。可愛いよ」 「は? や、やだ可愛いわけないじゃない、こんなデカイ女……後藤くん酔ってるんじゃない? は、早く寝なよ、お休み!」 びっくりした、後藤もお世辞言えたのね。 ――お世辞よね? お世辞に決まってるけど……どうしよう、ドキドキが止まらない。
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