2.変わらないね

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結局全部食べて借りを作ってしまった後、大きなクローゼットのある部屋に案内された。 「ほら見て。これ飾って眺めるだけなのよ」 「ええっ、あっちゃん着たらいいじゃん」 「昔借りたら汚しちゃって貸してくれなくなっちゃった」 なるほど。でも着ない方が勿体ないんじゃないかと思っていたら、あっちゃんママがやって来た。 「どうせ似合わないじゃない。身長も足りないし、後5キロは痩せないと」 あっちゃん別に太ってないけど、確かに失礼ながらこのパンツは無理かなと考えて、私が呼ばれた理由がわかった。 「もしかしてこれを私に着てみろ……と?」 「そう。ショートカットで背の高いお友達いないのって前から言ってたのよ」 またコスプレか。 ショートカットの私にこれ程需要があるとは思わなかった。 で、服着るだけかと思ったらあっちゃんママにメイクまでされて―― 「おおおー、ぽい! 男役っぽい!」 鏡の前に立ってみたら、確かにそれっぽかった。 私、こういう方が似合うんだな。 男と間違えられないように髪伸ばしてスカートはいてたけど、こっちだったね。 あっちゃんママとツーショット撮られて、なんかスター気分。 で、元の服に着替えて帰ろうとしたら、服が入った大きな紙袋を渡された。 「良かったらこれ差し上げるわ」 「ええっ、頂くわけには……写真だったらまたいつでも――」
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