14.先に出て待ってる

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「一条、大丈夫?」 え……ああ……うん。 急上昇してゆっくり降りてくる途中。 なんだかまだフワフワしてるけど、心地良いよ。 大丈夫って微笑みかけたら頬を撫でられた。 「びっくりしたよ。一条って凄いのな」 な、何が? 「え、私、何か変だった?」 「変っていうか、こんな女性初めてだよ」 「それってどういう……」 「前の彼氏、よく別れてくれたな。もう一度する時間ないから、隠してくれ」 うん? わっ、ほんとだ、もうすぐ夕食の時間。 急いでシャワーを浴びて服を着てレストランへ。 お昼をしっかり食べたからあまりお腹は空いていないはずなのに、全部美味しく食べられる。 「お父さんのお料理、美味しいね」 他のテーブルに聞こえないように囁くと、後藤は微笑んで頷いてくれた。 でも結ばれた直後に後藤のお父さんの顔見るの恥ずかしいなと思ったけれど、会うことはなく食事を終えて部屋に戻った。 また後藤と部屋に2人きり。 寝るのは早いしどうするんだろうと思ったら、後藤が言った。 「明日は観光しよう。何処に行きたい?」 あ、そうだよね。せっかく来たんだものね。 顔が近付くとドキドキしてしまうけれど、地図を見ながら話し合い。 帰る方向に移動しながら、景色の良い場所や素敵なお店を回る計画を立てた。 「早めにチェックアウトしないとな。もう寝るか」
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