14.先に出て待ってる

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「そうだね。じゃあ着替え――」 「必要ないだろ」 荷物を取りに立ち上がったら、腕を掴まれて立ったままキス。 カシスの香りがする。 食べたばかりのデザートのシャーベット。 あ、歯磨いてないと思ったけど、お構いなしに唇を割られた。 後藤の舌。 やっぱりカシスの香りがする。 カシスシャーベットのキス。 でも冷たくない。むしろ温かくて、こっちがとろけてしまう。 てか、砕ける。 腰の力が抜ける。 食事の前に使ったから既に乱れたシーツが波打つベッド。 そこに飛び込むように、2人で倒れ込んだ。 キス、キス、キス。 繰り返しながらシャツのボタンを外していく後藤の指を間接的に感じるだけでキュッとなる。 唇が離れてそっと目を開けると、悩ましい表情の後藤がいて、更にキュッとなる。 すると後藤は、私の片足を持ち上げた。そして足を抱いたまま私の中に入る準備を始めた。 「後藤くんも、足フェチなの?」 「って、誰を思い浮かべてるんだ?」 「う、浮かべてないけど――」 「よく褒められる? まあ嫌いな男は珍しいだろうね」 ツーッと指を這わせてキス。 そして足を抱えたまま――あ、ダメ、これ深いやつ。 2回目だからさっきより落ち着いて出来ると思ったのに、また訳が分からなくなって、後藤の太股を鷲づかみしてしまう。
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