14.先に出て待ってる

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でも後藤もあんまり余裕なさそう。 「あっ、うっ……」 呻いて仰け反る後藤の喉のライン、綺麗。 そしてまた高く昇って緩やかに落ちた。 ああ、最っ高。 「やっぱ凄いな、一条は」 胸を上下させて後藤が呟く。 でもそれは誤解だ。 「そうじゃないよ。後藤くんだからだよ」 「ほんとに?」 「うん、そうだよ。私……」 私もこんなの初めてって言いかけて恥ずかしくなって止めたのに、もっと恥ずかしい言葉がこぼれ落ちてしまった。 「後藤くんが好き」 告白してしまった。 なのに後藤は静かに答えた。 「そうだね」 え、何それ。 「好き」 「うん」 「好きだってば」 「うん、もう一度風呂入るか」 もー! 不満な顔して見せたのに、後藤は背中を向けて露天風呂に行ってしまった。
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