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「で、婚姻後の氏はどうする？」
氏？ あー後藤波美になるか一条仁になって貰うかってこと！？
「私は一条波美のままでも……ご、後藤波美になってもいいけど……後藤くんは一条仁になってもいいの？」
すると後藤は、用紙を見詰めて呟いた。
「一条仁か……イチジョウ、ジンって、なんか格好良すぎないか？」
「ああ……迅速の迅でヒーローにいそうな名前ね。じゃああの、いいよ、後藤で。苗字変わった方が結婚したって感じするし、後藤波美になっても――」
「それはなんか嫌だな……」
え……どういう意味？
「お母さんって日曜日は仕事だよね。何時に終わるかな」
「ああ……あ、ドッキリの仕返ししようか」
今すぐ行こうって、手紙や器を全て戻した段ボールを車に積んでお婆ちゃんちに向かった。いきなり行ったからお爺ちゃんとお婆ちゃんをびっくりさせてしまったけれど、２人はもちろん歓迎してくれた。
その後ろから茶色い物体が飛び出して来た。テンテンちゃんだ。
「元気だね、もう隔離してないの？」
「ああ、もう家中駆け回ってるよ」
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